法人化のメリット・デメリット

<税金上の優遇
個人所得税(超累進課税 最高税率50%)のみが、法人税(30%)との併用ができます。また、経費算入支出を多く計上し、また、配偶者・後継者への給与を損金計上できます。

<事業承継の容易さ>
個人の診療所と異なり、事業承継が非常に楽です。法人にしておくことで、経営者の変更が保険診療に影響を及ぼさなくて済みますし、将来の相続税対策にもなります。

<社会的信用の増大>
医療法人であることで金融機関などへの信頼度が増し、融資などで有利な扱いを受けられることがあります。

<収益拡大が可能>
分院を増設することも可能になり、事業・収益機会の拡大が可能になります。

<付帯業務での事業拡大>
メディカル・ツーリズム、介護事業など、新規顧客の開拓や付帯的な業務による業務拡大を図ることができます。




以上のようなメリットがあげられますが、もちろん、法人化することによるデメリットもあります。医療法の改正によって、医療法人の非営利性が徹底されていますので、法人解散後の残余財産帰属先は国、地方公共団体、医療法人、都道府県医師会または都市区医師会であって病院等を開設(予定)するもののうちから建前上選定することになっています。
このほか、いくつかデメリットと言われていることを挙げていきます。

<収益事業が行えないこと>
たとえば、医療法人になった歯科医師は歯ブラシなどを販売することができませんし、医療器具販売会社の役員になることも制限されます。

<資産要件、理事、監事の役員要件を守らなければならないこと
設立時には、2ヶ月の運転に支障がないよう現金・預金・診療報酬未収入金等を拠出することが必要となります。自己資本比率の規制は廃止されましたから、もちろん借入金も算入できます。しかし、すべての資金が借入金のみというわけにはいきませんので、資金部分でのハードルが若干高いといえます。
また、理事については同族役員は可能ですが、監事は理事と兼任できないことはもちろんのこと、顧問規約を結んでいる税理士、会計士も監事になれないなど厳しい制約があります。

<各種報告書の提出義務があること>
主だったものをあげておきます。
・事業報告書作成(毎会計年度終了後2か月以内)
・監事報告書
上記は毎会計年度終了後3カ月以内に都道府県知事に届出

・事業報告書等、監事報告書、定款の備え置きと閲覧請求権者ならびに都道府県への提供義務
・役員・社員総会等内部管理体制の明確化

以上のような書類・記録をきちんと作成しておかなければならない面倒があるということも知っておいてください。(行政書士が代理作成しているところもあります)




©All rights reserved 山下行政書士事務所